○もとす広域連合職員の分限処分に関する条例施行規則
平成30年2月8日
規則第2号
(趣旨)
第1条 この規則は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第28条の規定に基づく降任、免職、休職等の措置の取扱いに関し、もとす広域連合職員の分限に関する条例(平成11年もとす介護保険広域連合条例第7号。以下「条例」という。)に定めるもののほか、分限事由に該当する可能性がある場合の標準的な対応措置等に関し必要な事項を定めるものとする。
(対象職員等)
第2条 法第28条の規定に基づき、この規則の対象となる職員は、次の各号のいずれかの場合に該当する職員とする。
(1) 勤務実績不良な場合
(2) 心身の故障のため職務の遂行に支障等がある場合
(3) 適格性欠如の場合
(4) 第13条第1項の規定に基づく受診命令に違反した場合
(5) 行方不明の場合
(分限審査委員会)
第3条 対象職員に対する降任、免職、休職等の措置の取扱いに関し必要な事項を調査審議するため、もとす広域連合職員分限審査委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会の組織及び運営は、もとす広域連合職員懲戒審査委員会の例による。
(所属長の報告)
第6条 所属長は、前条の規定により記録した行動観察記録・対応状況記録票及び収集した資料を総務課長に提出し、当該職員の状況を報告しなければならない。
(総務課長による事実確認)
第7条 総務課長は、前条の規定による報告があったときは、当該職員と面談を行い、勤務実績不良又は適格性欠如の内容について、事実確認を行うものとする。
2 総務課長は、前項の面談の他、必要に応じて当該所属長、当該所属の同僚職員等から聴取り等を行い、事実確認を行うものとする。
2 前項の規定による警告書の交付を受けた職員は、文書の提出により、当該警告書に対する弁明を行うことができる。
(警告書の交付後の観察)
第9条 所属長及び総務課長は、任命権者による警告書の交付後、当該職員の状況が改善されているかどうか、継続して注意深く観察し、及び確認するものとし、必要に応じて、当該職員に対し指導等を行うものとする。
2 所属長は、任命権者による警告書の交付後における当該職員の状況について、引き続き行動観察記録・対応状況記録票に記録しなければならない。
(所属長の対応措置)
第11条 所属長は、当該職員が第2条第1項第2号に該当すると認められるときは、その者の心身の故障の状況等を綿密に把握し、行動観察記録・対応状況記録票により、遅滞なく総務課長に報告しなければならない。
(総務課長の対応措置)
第12条 総務課長は、前条の規定による報告があったときは、必要に応じて、当該職員、その家族等と面談等を行い、又は主治医等に連絡し、状況の把握に努めなければならない。
(1) 前条の規定により総務課長が状況を把握した結果、法第28条第1項第2号に該当する可能性が高いと認められるとき。
(2) 勤務成績不良又は適格性欠如の例に該当する場合で、その問題行動が心身の故障に起因すると思われるため、総務課長が再三にわたり医師の受診を勧めたにもかかわらず、これに従わないとき。
2 任命権者は、前項の規定により受診命令を受けた職員が正当な理由がないのにこれに従わない場合は、法第28条第1項第3号に該当するものとして、委員会に対し、当該職員の分限処分について諮問するものとする。
(診断結果に基づく措置等)
第14条 任命権者は、当該職員が前条第1項の規定に基づき受診した結果、任命権者が指定した2人の医師から、将来的に回復の可能性がないため又は病気休職の期間中には回復の見込みが乏しく長期の療養を要するため、職務の遂行には支障があり又はこれに堪えない旨の診断がなされた場合は、委員会に対し、当該職員の分限処分について諮問するものとする。
3 任命権者は、当該職員が前項の規定に基づき職務に復帰した後、1年以内に再び同様の疾病のため病気休暇となった場合は、委員会に対し当該職員の分限処分について諮問するものとする。
第15条 所属長は、当該職員の行方不明の事実が判明した場合は、速やかに総務課長に報告するものとする。
(分限処分の検討)
第16条 任命権者は、当該職員が行方不明となった後、1か月を経過しても行方が判明しない場合は、職場への復帰が見込まれないものと推定して、委員会に対し、当該職員の分限免職処分について諮問するものとする。
第17条 任命権者は、分限処分を実施する場合におけるその内容については、委員会の答申の内容を尊重して決定するものとする。
第18条 この規則に定めるもののほか、分限処分に関し必要な事項は、別に定める。
附則
1 この規則は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに所属長が作成した所属職員の言動等を記録した書類は、この規則の規定に基づく勤務状況の記録とみなす。
3 施行日の前日までに、広域連合の条例の規定によりなされた処分その他の行為は、この規則の相当規定によりなされたものとみなし、施行日の前日までに有する職員の休職の期間は通算するものとする。
4 この規則の施行の際、もとす広域連合職員勤務評定実施規程(平成17年もとす広域連合訓令第6号)の規定によりなされた勤務成績の評定及び勤務評定の規定の適用については、「勤務成績の評定」又は「勤務評定」とあるのは「人事評価」と、「勤務評定票」とあるのは「人事評価記録書」と読み替えるものとする。
附則(令和3年規則第10号)
この規則は、公布の日から施行する。
別表(第2条関係)
分限処分の事由に該当し、対応措置が必要となる事実の例
勤務成績不良 | 初歩的な業務上のミスを繰り返し、業務の成果物又は処理数が職員の一般的な水準と比べて著しく劣る。 |
所定の業務の処理を行わず、又は上司への報告、相談等を怠る等独断で業務を行う。 | |
担当業務を処理することができず、常に上司その他の職員等からの支援を必要とする。 | |
正当な理由がないのに業務の処理に係る期限を守らず、又はその業務を行わない。 | |
勤務時間中に無断で頻繁に自席を離れ、又は業務外の電話若しくは電子メール・インターネットに興じる等職務に専念しない。 | |
人事評価等において、連続してC又はDランクの評価をされる等改善の努力が見られない。 | |
心身の故障 | 3年間の病気休職の期間が満了するにもかかわらず、心身の故障の回復が不十分で、今後も職務の遂行に支障がある。 |
病気休職中であるが、心肺機能停止後こん睡状態や脳死状態である等今後回復して就労が可能となる見込みがない。 | |
病気休暇又は病気休職を繰り返してそれらの期間の累計が3年を超え、そのような状態が今後も継続して、職務の遂行に支障がある。 | |
適格性欠如 | 職務命令に違反したり、職務命令を拒否したりする。 |
上司その他の職員に対する暴力、暴言、誹謗又は中傷を行う。 | |
上司その他の職員又は住民との対応において、もめ事を繰り返す。 | |
他者とのもめ事により、当該職員本人の業務の停滞だけでなく、他の職員の業務の遂行にも悪影響を及ぼしている。 | |
粗暴な言動により、他者ともめ事を繰り返す。 | |
公務員として必要な適格性、品位及び社会的信頼に対し、疑問を抱かせるような問題行動を繰り返す。 | |
上司からの指導に対し、反抗的な態度を示し、反省又は改善の行動が見受けられず、同じようなことを繰り返す。 | |
懲戒処分を受けた者がその後3年以内に非違行為(交通法規違反、管理監督責任及び軽過失によるものを除く。)を行った。 | |
受診命令違反 | 心身の故障のため職務の遂行に支障等がある場合又は勤務実績不良若しくは適格性欠如に該当する者で、その問題行動が心身の故障に起因するものと思われる場合であって、任命権者が指定した医師への受診命令に従わない。 |
行方不明 | 水難、火災その他の災害によるもののほか、当該職員と連絡が取れず、1か月以上にわたり行方不明である。 |